本日もいい天気。
今日も年長さんとリレーをしました。
学年全員で勝負をしました。
今までブログに書いてきたように、今年の年長さんは、
「みんなで走ることを楽しむ」という課題を、一生懸命乗り越えてきました。
「嫌だ」、「やりたくない」、素直に自分を出せない姿から、それを乗り越え、今は、クラスみんなでやるリレーにやりがいを感じ、楽しみを感じています。
そんな年長さんの今日の姿は、ひとつの課題を乗り越えたあと、すこし、停滞しているように見えました。
おしゃべりをしたり、砂遊びをしたり、作戦ミスをしたり、力を抜いて走ったり、集中力を欠いた姿に見えました。
僕は、おおよそ、以下のように話をしました。
みんな、結果発表をするとき、3位のクラスに拍手するじゃない?なんで拍手するの?
(子どもたち)「がんばったから」
そうなんだね。うん、先生もそう思うよ。
この間のリレーでそうだったように、みんなが全部の力を出して、本気でやった姿は、1位でも2位でも3位でも、先生は、すごいと思う。
がんばったんだな!と思う。
大人から見たって、とってもすごいよ。
だから、そんなときは、拍手したい!って思うよ。
でも、今日のみんなの姿を見てて、先生は、1位のチームだって、すごいと思わなかった。
他のクラスも全力じゃなかったから、たまたま1位になっただけに見えたよ。
そんな、本気じゃないリレーなら、運動会でやらなくてもいいんじゃない?
(子どもたち)「いやだ!」
もちろん、すごくがんばった子もいる。
それは見てればわかるよ。
そういう子は、今悔しい気持ちじゃないかな?
あの子がもっとこうしてくれたら、って思ってる子がいるんじゃないかな。
リレーは、年中さんのときのかけっことは違うよ。
ひとりでがんばるものじゃなくて、みんなでやるものだよね?
だったら、今、悔しい気持ちの子は、もっとこうしたほうがいいとか、今思ってる気持ちとかを、自分じゃない子に教えてあげたらいいと思うよ。
今日は、先生から見て、大きい組の、本気で全力のリレーじゃなかった。
こういうリレーなら、運動会でやらなくていいと思う。
(子どもたち)「いやだ!」
じゃあ、明日はどうかな。
明日のみんなの姿は、どういう姿になるのかな?
(子どもたち)「本気でがんばる!」
じゃあ、明日は、本気のリレー、やれますか?
(子どもたち)「はい!」
それなら、明日のみんなの姿を楽しみにしてるよ。
また、明日、ここでやろうね。
(正確には覚えていません。僕も、必死です。自分の、心で思ったことを、正しく伝わるように言葉にするのに、必死です。
そしてこうやって文章にしても、なかなかその場の熱だとか、空気だとか、表情だとか、視線だとかは、伝わらないと思いますが…こうなんです、伝わりますでしょうか)
そして、3クラス、それぞれクラスに戻って、いろいろな話をしたようです。
僕や主任も、話し合いのフォローに入ろうかと思いましたが、担任の先生たちの「自分で(保育を)やりたいです!」との強い思いを受け、子ども達に見えないところで話し合いを聞くに留めました。
(担任だって、全力で本気な、「クラスの一員」です)
それぞれのクラスでは、それぞれの課題が話し合われました。
「○○くんには、もっとこうしてほしかった」という話題も、たくさん出たようです。
ちなみに、子どもですから、「○○くんが本気じゃなかった!砂を触ってた!」というような、欠点を指摘するような表現になりがちです。
そのときは、担任が「じゃあ、□□くんは、○○くんにどうしてほしかった?どうしたらいいと思った?」と言葉をかけ、
「こうしてほしかった」「こうしてほしい」という声を引き出します。
そして、「そうなんだね、□□くんが教えてくれたね、これで○○くんは、もっと本気で、速く走れるね!」と、プラスな話し合いにしていくのです。
さらに「他のみんなは、今□□くんが教えてくれたこと、自分はどうだった?」と、クラスの他の子に問いかけ、「誰かの課題」を「みんなの課題」にしていくのです。
これが、年長の保育です。
クラスそれぞれ話は違いますが、いろいろ話した結果、
「全力でやろうよ」
「勝ちたい」
「練習するしかない!」
「みんなで練習しよう!」
という意見で、みんなの気持ちが、高まってきたようです。
明日が、楽しみです。
本番まで、あとリレーができるのは、たった2回。
素早く給食を食べ、お昼からは、年長の全クラスが、それぞれ違う場所で、リレーの練習をしていました。

給食後で、普通なら集中力も切れ、のんびりと遊びたい時間帯なのですが…
一生懸命、練習していました。
そのとき、あるクラスで、男の子が、こういうことを言いました。
…これは、ちょっと、かわいいというか、大人だと、つい笑ってしまうようなエピソードなのですが…
でも、本当はぜんぜん、笑うようなことじゃなく、素敵なことです。
クラス全員で練習していて、一度走ったあと、「砂を触るのやめようよ!」「メガネとかが落ちちゃっても、とまらずに走ろう」とか、みんなで話し合いをしていて…
その子は、そのあと、真剣な、ぎゅっとした表情で、胸をぐっと押さえながら
「なんか、きてる。今、なんか、おれは、ググッて、なんかきてる」
と、絞るように、ひとりごとを言っていました。
頭で考えたんじゃなくて、胸の奥で、感じている。
僕は幼稚園にいて、よく思うのです。
「子どものように生きたい」と。
あと、運動会まで、残り3日。
一日、一日、子どもたちは変わり続けます。
誰とも比較できない、このすばらしい子どもたちと、全力で日々を過ごして生きたい。
その喜びを感じて、毎日を過ごしたいと思います。
運動会本番を、お楽しみに。
ユウシ