「いけいけー!!がんばれー!!」

そんな大きな声が、朝から園庭で聴こえてきました。
年長さんが、リレーをやっています。

とはいえ、毎年、運動会のクライマックスで年長さんが見せてくれるようなリレーではありません。
「エンドレスリレー」と呼ばれている、ゴールもルールも勝敗もない、原始的なリレーです。
去年見た、憧れの年長さんのリレーのイメージから、ただただ気持ちよく走るだけのリレー。
今日は、自由遊びの時間だけでなく、クラスの時間でもリレーを楽しんだようです。
5月、ここからスタートして
「ねえ、これどっちが勝ちなの?」
「線の中走るのっておかしくない?」
「並び方がヘンだとタッチしにくいよ!」
いろんなことに自分たちで気づき、話し合い、形を変え、「あのリレー」に近づいていきます。
何ヶ月もかけて、じっくりと。

今は、とにかく「みんなと走る」ことを、五月の気持ちいい風の中、楽しんでいます。
今年の子たちは、どんな様子を見せてくれるのかな?
これからの姿が楽しみです。
そういえば、リレーのあとのちょっとした時間に、あおぐみでは、先生がギターを持って、みんなでゲームをして遊んでいました。

あまりに楽しそうなので、僕も仲間に入れてもらいました。
ギターってのも、ピアノと違って、先生が動きながら遊べるので、いいですねー!
と、
話題は変わりますが。
そういえば。
あさひこ幼稚園では、毎日9:30くらいに、ジョン・レノンの「イマジン」が流れます。
これは、なにかの合図というわけではなく、ただ、音楽として、流れています。
いろいろな、良くないニュースが聞こえてきます。
日本から、世界から。
今の世界が、調和と協調より、対立の図式に向かっていることへの不安。
憲法や自衛隊、個人の自由と権利、いろいろな仕組みが変わっていくかもしれない日本の未来への不安。
それでも一向に選挙の投票率は上がらない、そんな「わたしたち」への不安。
現代は、そんな不安が、小さい子を持つわたしたちに、ふつふつと感じられる時代なのかもしれません。
そんな時代だからこそ、昨年度から、園長が「こどもたちに、平和への祈りの気持ちをこめて流そう」と始めた、ジョンの「イマジン」です。
歌詞の意味はもちろんわからないけど、だからこそいい。
説教のように言い聞かせるのではなく、平和を祈るジョンの魂を、伝えられれば。
そう思って流しています。
(昨年度の卒園式ラストの送り出しも「イマジン」でした)
そして、今年度からさらにそれを発展させた形で、毎週水曜日のみ、「イマジン」ではない音楽が流れます。
これは、「こどもたちに、幼児音楽だけではない、いろいろな音楽を聴く機会を作ろう」というねらいで、週替わりで1曲、職員室の先生がセレクトした「子どもに届けたい魂の一曲」が流れます。
音楽って、やっぱりすばらしいものですから。
クラシック・ジャズ・ロック・ファンク・ソウル・ブルース…
なんでもいいので、とにかく思いのこもった一曲を、BGMで流していきます。
先日はM先生のチョイスで、ショパンの「ノクターン」が流れていましたが、今日は僕の番です。
春だし、あったかくなってきたし、台風一過ってことで、ガツンとFunkなダンスチューンもいいな!とか考えていましたが…
今朝、送迎門で
「あっ!」と、子どもと発見しました。

クサイチゴ!
これ、メチャクチャおいしいんです。
甘くて。
この時期最高の、山からの贈り物です。
最初に一緒に発見した子と、「おいしいね!!」と食べていました。

熟したイチゴ、何個も!
すると、気づいた周囲の子が「ほしいほしい!」と何人も寄ってきました。
そんなとき、こどもたちは、すぐに
「じゃあ、はんぶんね」
といって、自分のイチゴをわけてあげていました。
「えーっ」
とか言いつつも、笑いながらわけてあげる子もいました。
そうなんだよなぁ。
そうやって、スッと、わけてあげられるんだよなぁ。
世界の大人たちが、この子達のようであれば、戦争なんてなくなるのに。
僕は夢みたいな、単純なことを言っているのかもしれません。
でも、僕は眼前に見ています。
「分かち合うことのできるひとの姿」を。
いつまでも、いつまでも、忘れたくないな、と思います。
思いやること、分かち合うこと。
そう、行動できること。
このイチゴを分け合うこどもたちの姿を、永遠に。
僕も、子どもたちも、そうあることができればなぁ、と祈るのです。
だから、本日の魂の一曲は、急遽、変更。
THE BEATLES 「Strawberry Fields Forever」
ここが君たちのストロベリー・フィールズ。永遠に続きますように。
そんな祈りをこめて。
ユウシ
【おまけ】
みんな大好きoasisが、日本の僕らのために歌ってくれました。
Strawberry Fields Forever!
それもまたよし。