今日は、ちょっといつもと違うことがありまして。
(園外の方がたくさん出てくるので、写真はぼかしてあります)

愛教大附属中学校の生徒さんが園にやってきました。
愛教大附属中学校(園長の出身校でもあります)は、追究学習という、自分でテーマを決めて、それを追究していく単元があります。
この生徒さんたちは、「ジェンダー」をテーマにしていて、
「ジェンダーギャップ、差別をなくしていくためには、幼児期からの働きかけが必要なのでは?」
という仮説を元に、自分たちで作った幼児向け紙芝居を年長さん向けに読ませてもらい、意見を聞きたいとの依頼がありました。(生徒本人からお電話をいただきました)
もちろん、快諾し、自由遊びの時間に、興味のある年長さんを集めて、紙芝居を読んでもらいました。
紙芝居の内容は、「ままごとが好きな男の子が、男のくせにままごとなんておかしい、と言われたり、ままごとの中で男が家事をして女が働くといった内容がおかしいと言われたりするけれど、幼稚園の先生が『そんなことないんだよ』と教えてくれる」というものでした。
年長さんの反応は、ほぼみんな「その通りだよね」「当たり前だよね」という反応でした。
それが、とってもよかったです。
もともと、小さいこどもには、性差やそれに関わる偏見や差別はなく、それらは、生きている間に、大きくなるにつれて、環境によって身についてしまうものなのだと思います。
だからこそ、あさひこ幼稚園では、僕が園長になったときから「ジェンダーギャップを無くす」「LGBTなどのセクシャルマイノリティに配慮した環境を作る」という考えのもと、もともとあった「男女別に色分け」「男女別制服」「男女別名簿順」「男女別の列で並ぶ」を無くし、こどもの環境を整えてきました。
そういった環境で過ごしてきた園児たちだからこそ、「当たり前だよね」という反応になったことは、僕にとってとてもうれしいことです。
中学生の子たちにも、こういう環境だからこその反応かもしれないよ、と伝えました。
「他の学校では、男女別名簿ですら『それを無くすのは事務的に大変だから…』と言われていたので、幼稚園で何年も前からそういったことを実施されているのに驚きました」
と言っていました。
常々言っているように、この子たちが社会の中心になる2050年代は、今よりさらに多様性への尊重、対応が重要な時代になるだろうと思っています。
そのための、地味で目立たないけれど、大切だと思っている取り組みが、こうやって意味を感じられて、嬉しく思いました。
そして中学校と言えば。
僕にとっては、多くの卒園児の門出の日です。
式が終わって、最後のお見送りの時間に、ちょっと顔を出してみました。
遠くから見るだけでよかったんですが、何人かの子に
「あ!先生じゃん!写真撮ろう!」
と声を掛けられ、一緒に写真を撮ったりしゃべったりしました。
卒園して9年。
幼稚園のことなんて、忘れていいのに。
あさひこ幼稚園のことが、記憶からすっかり消えたところで、
きみたちが「ここで大きくなった」ということは、
その体と頭と心に刻んだ育ちは、決して、一生消えはしないんだから
安心して、幼稚園のことなんて忘れて、楽しい未来に進んでくれていいのに。
それでも、一緒に写った写真を見ると、嬉しい気持ちになります。
卒業おめでとう。どんどん大きくなって、自由で楽しい人生を!
さあ、あさひこ幼稚園の卒園式までも、あと少し。
自由に楽しく、過ごします!
それでは、また明日!
園長