どんどん形が変わっていきます。姿が変わっていきます。
子どもたちの成長や変化のスピードは、毎年ですが驚くばかり。
それもこれも、みんなが主体的だからです。
少し話は変わりますが。
恥ずかしい話…になるんでしょうか。
いや、過去そのときはそれがベストと思ってやっていたことです。
正直、昔は、発表会前っていうのは、先生たちは、みんなものすごい量の残業をやっていました。
朝は7時前に来て、帰るのはだいたい20時過ぎ、22時なんてのも珍しくなく、時には日付をまたいで作業をしたことも。もちろん、僕も一緒に。
休日出勤もして、18連勤とか、そんなこともありました。
そのときはそのときで、みんなやりがいを感じて夢中になって仕事をしたし、夜食を買って食べたり、いろんなことを話したり、それはそれで「青春」のような感覚もありました。みんなただひたすら一生懸命でした。子どものために、と。だから、あえて過去を否定しようとは思いません。
でも。
やはり、今、思うのは、それじゃよくないんです。
そんな働き方では、長く続けられない。結婚出産しても続けられる職場にはなれない。
いつかたまっていく疲労で、心身が疲弊してしまう。
いくら子どものためを思っても、長く続けられない仕事では、結果的に多くの子どもたちを幸せにできない。
そして、先生自身が「楽しく幸せ」にはなれない。
このあさひこ幼稚園が「子どもも先生もおうちの方もみんなが楽しい幼稚園」になることはできない。
なので、ここ数年でずいぶん働き方を改革してきました。
仕事を増やすことは簡単です。あれもこれもしたい、と言うのも思うのも簡単です。
でも、減らすのには勇気がいります。反対意見も出ます。
そこを、たくさん見直して効率化し、省力化してきました。
それでも大切な保育の本質は絶対に失わないようにしながら。
発表会で言うと、今は年中・年長の先生は「題材選択制」を行っています。
あらかじめ用意された十数種類の題材から、題材を選ぶのです。
それによって、無限にある題材から選ぶのではなく、題材選びが効率化し、また、道具や衣装も以前に作った物がそのまま残っているので、それらを作る作業がなくなりました。
そして、「曲も以前に作ったものを使い回せばいい」としました。
今まで「なんとなく、去年使った曲は使いにくい」とか「他のクラスと重なるといけない」みたいに慣例としてなっていましたが、そのために新しく作曲したり、楽譜におこしたり、ピアノの練習をしたりと時間を使っていたので、それは効率化しました。
去年も使ったメロディでも、子ども達にとっては初めてのメロディですから。
(きっと「あれ?この曲去年も聴いたような?」というのがあるでしょう。お兄ちゃんお姉ちゃんがDVDを見たら、別の歌詞で歌いだすかも…?)
そんなような工夫をした結果、今年度は、発表会前、どんなに遅くても、担任の先生達は18時半までには園を出て帰宅しています。
昔を知っている人間からしたら、これはとても大きな変化でした。
ですので、発表会本番「あれ?これどこかで聞いた曲だなぁ」とか「他のクラスでも使ってたなぁ」とか「ずいぶん年季の入った道具だなぁ」とか思われることがあるかもしれませんが、そのような効率化の結果ですので、どうか理解していただきたいなあと思っています。
そして、そのことで生まれた余力を、子どもと過ごす時間、保育そのもののために活かした結果としての発表会を、どうか楽しみにしていただければ、と思います。
…簡単に、と書いたのにすごく長くなってしまった…!
さて、道具を作ってきます!
それでは、また明日!
園長