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あさひこ幼稚園の毎日

あさひこ幼稚園のブログです。毎日更新、園の日常をお知らせします。

自分で、決める。

今日も卒園式練習。3回目。
初めて最初から最後までの流れを通しでやりました。

園長先生が不在のため、代わりに証書渡しなどをやっていましたので写真がありませんが、今日は昨日よりグッと集中している姿がありました。
流れ自体がスムーズになってきたことに加え、気持ちがだんだん向いてきたのだと思います。
まだまだごそごそはしていますが、すごいね、年長さん。

卒園式は、あさひこ幼稚園生活3年間で、ひょっとしたら唯一「遊び」ではない活動なのかもしれません。
今まで、「楽しいからやる、楽しそうだからやってみる」で色々な活動を行ってきましたが、卒園式は幼稚園で唯一の「式典」「セレモニー」です。
そして今の年長さんは、そのことを、つまり式典であるという質を理解して「がんばろう」と思うことができているからこそ、卒園式を行うことができます。
そわそわしたい足。友達に伸ばしたくなる手。しゃべりたくなる口。
それを、自分の心でグッと抑えることができる。自分の心と頭で決めたことを、自分で実行できる。
もちろん、ひとりひとりそれぞれですが、その子なりに。
もう、小学校にいけるよ。
大きくなりました。だからこその、卒園式です。

練習のあと、給食のころ。
年長男児ふたりが、揃って職員室にやってきました。
「どうしたの?」と聞くと
「先生が、ふたりでにじぐみ(※職員室)に行っておいでって。けがしてるから」
見ると、Aの手の甲に複数の引っかき傷。少しですが、その中のいくつかから血が出ています。
「どうしたの、このケガ?」
「Bがひっかいた」
聞くと、どうやらAとBは場所の取り合いで喧嘩になったらしく、Bが手を出してケガになった模様。
しかし、Aもけっこう手が早いので、喧嘩になったらBにもケガがあるのでは?と聞くと
「Bはケガしてない」
どうして?と聞くと、どうやら、Aも多少は反撃したが、そこから、我慢した、とのこと。
最終的にはBに引っかかれ、血も出てるのに、そのあとは我慢したそう。
それは、今までのAからすると、正直、とても驚く発言でした。そんなことができるなんて。
僕は、手当てをしながらAとBに言いました。
「そうだったんだね。Aくん、それはすごいことだよ。
自分がやられたのに、血が出てるのに、これ以上はやめようって思えるのって、それはなかなかできない。
大人でもなかなかできない、すごいことだよ。
お互いがいつまでもやりかえしてたら、どんどん傷が増えてケガが大きくなっていくもんね。
それを自分で、やりかえさない、って決めて、そうできるのは、とっても立派で、すごいことだ。
Aくんは本当に大きくなったね。先生はとてもすごいと思うよ」
自分でもうまいこと言えないなぁと思いつつ、率直に伝えました。
「Bくんは、どう思う?先生は、Aくんとってもすごいと思うよ。
これからも、喧嘩になることって、あるかもしれないけどさ、Bくんも、そのときどうしたらいいか、考えてみてね」
手当てが終わったあとは、さっきまで喧嘩してたとは思えないみたいに、ふたり並んで、保育室へ帰っていきました。
担任いわく、お部屋に帰ったあと「おれたち仲直りしたから、もういいんだ」と言って、その後は一緒に給食を食べていたようです。

その後、僕は給食を食べながら、考えていました。
…周囲に止められたんじゃなく、自分の意志で、喧嘩を途中で止めることができるなんて。
やられたのに、「やりかえす」という選択をしない。そんなことができるなんて。
Aはすごいな。
大人だって、できないのに。
世界はいまだに傷つけあっているのに。
大きくなった、ってだけじゃない。
おれたち大人は、学ばなくちゃいけない。

卒園まで、あと7日。
そんなことを、考えていました。

ユウシ
 

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